AWS Snowball とは何か
「ペタバイト級のデータセットを AWS 内外に物理的に移行」のコンセプトの基に開発されたAWSの新しいサービスです。私自身、始めた知ったサービスだったので、調べた結果をまとめてみました。
これまでは、データセンター移行やクラウドへの移行などで大規模データの移動する場合、ネットワーク回線を利用することがよくあります。環境さえ用意できれば、利用したい時にいつでもデータを移行できるなどのメリットはありますが、次のような問題点も挙げられます。
- 転送時間が長い
- セキュリティ面で懸念がある
- ネットワーク回線コストが高い(セキュリティ面を意識すると専用線になる)など
AWS Snowball では、専用設計されたストレージアプライアンスを利用することで、それらの問題点を解決してくれます。
Snow ball サービス利用の流れ
利用の流れは下図のイメージです。
※画像クリックで拡大できます。
- ユーザが Snow ball の利用依頼をする
- ユーザ先が必要なツールをダウンロードする
- データを Snow ball にコピーする
- Snow ball を送りかえす
余計な手間もなさそうですごくシンプルです。
セキュリティ面
物理的な媒体でデータを移動させる上で、最も気になるのは、やはりセキュリティ面に関してだとだと思います。
AWS snowballでは次のような対策を実施しているようです。とりあえず、生のデータが入っているわけではないので、一般人レベルのスキルではどうにもならないと思います。
- AWS Key Management Service(KMS)を利用
256ビット暗号化キーによって、自動的に暗号化されます - 物理的にも頑丈な設計
堅牢性と可搬性の両方を実現するために、非常に耐久性の高いケースで構成されています。ただし、重量は約22kg未満とのことなので、ちょっと重そうです。 - トラステッドプラットフォームモジュール (TPM) を利用(組み込みタイプ)
TPM機能を利用して、不正に改ざんされたデータを検知可能です。
ちょっと気になるところとしては、運送の仕方とかはどうなるのかな? とかその変が気になります。
サービス料金(2018年9月16日時点)
実際に利用される場合は、下記の分だけ費用が必要になりますので、注意してください。
下記は参考価格です。
- ジョブに対するサービス料金
- Snowball 50 TB: 200 USD (執筆時点だと、約22500円)
- Snowball 80 TB: 250 USD (執筆時点だと、約28000円)
※アジアパシフィック (シンガポール) 向け : 320 USD
- 追加日料金(10日目までは無料)
- 11 日目以降のオンサイト使用には 1 日ごとに 15 USD
- 11 日目以降のオンサイト使用には 1 日ごとに 20 USD
※アジアパシフィック (シンガポール) のみ
- データ転送
- Amazon S3 へのデータ転送 受信 (イン) は 0.00 USD/GB (無料)
- Amazon S3 からのデータ転送 送信 (アウト) はリージョンごとに別料金 ※
- 配送料金
- Amazon S3 料金
※その他詳細は AWS Snowball をご参照ください。
また、必要な費用をシミュレーションするために、下記サイトが用意されていますので、参考にしてくだい。
URL Link:AWS費用算出サイト
・言語選択:画面右上にあります。
・Snowballのタブ:”Ctrl + F” で “Snow” と検索すればひっかかるはずです。
シンガポールだけ金額が高いのは、物価が高いからですかね?
類似サービス
実は他にも似たようなサービスがあって、ベンダーごとにサービスを売り出しています。
そのうち比較表みたいのも作ってみたいですね。
その他
これからデータセンターのリソースをAWSに移行してやるぜ!という方には有用なサービスに思えます。
実際に利用する場合は、コスト/時間などを考慮し取捨選択すると良い結果につながると思いますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。